こんにちは!カメラマンの長谷川(ksk_photo_man)です!
- 露出計がついていないフィルムカメラで写真を撮りたい
- カメラアプリに表示されたEVの意味を知りたい
EV値とは、Exposure Valueの頭文字を取ったもの。一言でいうと、「光の明るさ(露出)」のことです。
つまりEV値がわかると、「正しい明るさ」で写真を撮ることができます。この記事では、EV値について詳しく解説していきます。
EV値とは
EV値(露出)は、カメラのシャッター速度とF値の組み合わせを表す数値です。数字が大きくなるほど「明るい」という意味で、数字が小さくなるほど「暗い」ことを指しています。
具体例を見てみましょう。
シーン別のEV値
EV=12:曇り日陰
EV=13:明るい曇り
EV=14:晴れ
EV=15:快晴
EV=16:快晴時の海・山・雪景色
実際にはEV値はもっとたくさんありますが、ここでは「EV値=明るさ(露出)」と覚えておけば大丈夫です。
つまり例えば、露出計アプリのEVに「16」と表示されたら、「今は16の明るさですよ」と教えてくれています。
EV値がわかるとなにが良いの?
EV値がわかるとなにが良いの?
EV値を参考にカメラの露出を決めると、適正露出の写真が撮れるよ!
さて、カメラの露出を決める3つの要素は、なんだったでしょうか?
そうですね。カメラの露出を決めるのは、
- 絞り(F値)
- シャッタースピード(シャッター速度)
- ISO感度
の3つです。EV値は、この3つの要素を決める時に役立ちます。
例えばEV値が「12」だった場合、
- 絞り(F値):F11
- シャッタースピード:1/60
- ISO感度:100
という設定で撮ると、適正露出で写真が撮れます。
EV値一覧表
さっきの設定よりも、シャッタースピードを速くしたいんだけど・・・
そんなときは、EV値一覧表を参考にしてみよう!
EV値一覧表
「EV値一覧表」とは、EV値0(絞り値:F1.0、シャッタースピード:1秒 )を起点とした表です。
「EV値が大きくなる=明るくなる」ということです。
上図の「12」のところを見ると、「絞り値:F11、シャッタースピード:1/30」のほかにも10通りの組み合わせがあります。
例えば、
- 絞り(F値):F22
- シャッタースピード:1/8
- ISO感度:100
もEV値は「12」です。
ほかにも、EV値「12」に当てはまるところなら、どの組み合わせでも同じ明るさの写真が撮れます。
EV値一覧表の使い方例
くどいようですが、下記の5つの設定はどれも同じ「露出(明るさ)」になります。
- 絞りF2.8、シャッタースピード1/500
- 絞りF4、 シャッタースピード1/250
- 絞りF5.6、シャッタースピード1/125
- 絞りF8、 シャッタースピード1/60
- 絞りF11、シャッタースピード1/30
どれも「EV12」だからです。
「被写界深度が浅いボケ味のある写真を撮りたいときは①の設定」で、
「躍動感が出るようにブレた写真を撮りたいときは⑤で撮る」など撮影者の意図によって設定が変わりますね!
EV値=段(ステップ)
「EV値1、EV値2、EV値3」の変化を、「段」で表現することもあります。また「段」を「ステップ」と表記する場合もあります
例えば、
- 「EV値1→EV値2」は、「1段明るく」
- 「EV値3→EV値1」は、「2段暗く」
といった具合です!
また最近のデジカメは、「1/3」ずつ設定を変えれるのが主流!そのため、カメラのダイヤルを「カチっカチっカチっ」っと3つ回すと、「1段」変わったことになります!
EVの表示方法
EV値は広く使われているのですが、表示方法が統一されているワケではありません。メーカーやカメラ毎で、表示方法が若干異なります。
メーカー | 機種 | 測光範囲 | 段・ステップ |
---|---|---|---|
キヤノン | EOS Kiss X9i | EV1~20 | 1/3、1/2段ステップ±5段 |
ニコン | D7500 | 0~20EV | 1/3、1/2ステップに変更可能 |
ソニー | α9 | EV-3- EV20 | 1/3EV, 1/2EV ステップ選択可能 |
オリンパス | OM-D E-M5 Mark II | EV -2~20 | 1/3、 1/2、 1 EV ステップ選択可能 |
パナソニック | DC-GH5 | EV 0~18 | 通常1(1/3 EVステップに変更可能) |
ペンタックス | PENTAX KP | EV-3~20 | 1/2EVステップ、1/3EVステップ選択可能 |
また多くのカメラが初期設定では「1/3ステップ」で、「1/2にも変更可能ですよ」っという仕様になっています!
一度、お手持ちのカメラで表記を確認してみるといいかと!
EV値の計算方法
またEVの値を割り出したいときは、
EV=AV+TV
という計算式になります。ちょっと念のため、「AV」と「TV」についてお伝えしますね!
AV・絞りF値とは
レンズは、「絞りがどれくらい開いているか」をF値で表していますね。
AV=Aperture Value(アパチャーバリュー)の意味は、「絞り値」です。
カメラの撮影モードで「絞り優先モード」の「Av」や「A」は、Aperture Valueの頭文字です。
絞り値(F値)を、AV値に変換すると次のようになります。
絞り | AV値 |
---|---|
F1.0 | AV0 |
F1.4 | AV1 |
F2.0 | AV2 |
F2.8 | AV3 |
F4.0 | AV4 |
F5.6 | AV5 |
F8 | AV6 |
F11 | AV7 |
F16 | AV8 |
TV・シャッタースピードとは
TV=Time Value(タイムバリュー)は、直訳すると「時間の値」。「シャッタースピード」のことを表しています。
シャッタースピードとは、カメラのシャッターが開いている時間のこと。なので「シャッタースピード優先」の撮影モードのことを、「Tv」と表記しています。
メーカーによっては、「シャッター(=shutter)」の「S」と表記しているメーカもあります。
シャッタースピードを、TV値に変換すると次のようになります。
シャッター スピード | TV値 |
---|---|
1秒 | TV0 |
1/2秒 | TV1 |
1/4秒 | TV2 |
1/8秒 | TV3 |
1/15秒 | TV4 |
1/30秒 | TV5 |
1/60秒 | TV6 |
1/125秒 | TV7 |
1/250秒 | TV8 |
いろんな組み合わせが考えられますが、例えば、
AV6(=F8)+TV6(=1/60秒)=EV12
になります。
ISO感度について
また、写真の明るさは「ISO感度」も関係してきます!
ISO感度も、
- ISO100→ISO200・・・1段明るく
- ISO400→ISO100・・・2段暗く
といった具合になります!
ISO感度 | 段数(ISO値) |
---|---|
100 | 0 |
200 | 1 |
400 | 2 |
800 | 3 |
1600 | 4 |
3200 | 5 |
なので今までのお伝えしたことをまとめると、
EV=AV+TV – ISO値
っということになりますね!
最後に
写真は、「明るさ・露出」を変えると写真の印象も大きく変わります。写真を撮っていて、「どの明るさが良いかわからない〜」っとなった場合は、明るさを変えた写真を何枚か撮っておくのもアリです。
あとで写真を見返したとき、「撮影してる時は、この明るさの写真の方が良いと思ったけど、家で見たらほかの明るさの方が良い写真だな〜」となる事はよくあることです。
また「写真の明るさ」の次に、写真の印象が大きく変わるのが「写真の色」。「写真の色」は、カメラの「色温度」設定で対応します。
「明るさ・露出」のことが、だいたいわかった方は「色温度」にもチャレンジしてみてください。
コメント
コメント一覧 (4件)
表でシャッタースピードの1/15が抜けているためEV値が違うと思うのですが。。。
ご指摘ありがとうございます!修正いたしました!
最後の計算式が間違えています。
正しくは以下ではないでしょうか。
EV=AV+TV−ISO値
失礼しました!EV=AV+TV−ISO値ですね!